老後の住みかえ先を決める際には、実際に見学に行って確認することが非常に大切です。ここでは、見学時に確認すべきポイントや準備しておくべきことについて詳しくご紹介します。
目次
1.老後の住みかえ先の選択肢について
アクティブシニア世代が安心して暮らせる住まいを選ぶ際には、いくつかの選択肢があります。主な選択肢として、「シニア向け分譲マンション」、「シニア向け賃貸住宅」、「サービス付き高齢者向け住宅」、「有料老人ホーム」、「シニアテックマンション」があります。それぞれの住まいは、サービス内容や費用が異なっており、自分に合った住まいを見つけるためには情報収集が重要です。
- ①シニア向け分譲マンション:所有権を持つマンションで、自由度が高く、自分のスタイルで生活できます。
- ②シニア向け賃貸住宅:賃貸契約で住む住宅。比較的自由度があり、短期的な住まい方が可能です。
- ③サービス付き高齢者向け住宅:高齢者向けに設計され、食事や見守りサービスが付いている住宅です。
- ④有料老人ホーム:生活支援や介護サービスが充実している施設で、さまざまな種類があります。
- ⑤シニアテックマンション:テクノロジーを活用して安全性や快適性を高めたマンションです。
多くの選択肢があることは、自分にピッタリの住まいを見つけるチャンスを広げてくれますが、反面、迷いが生じることもあるでしょう。最終的には、パンフレットやインターネットで情報を集めた後、見学に行って実際の雰囲気を確認することが一番です。
2.見学時に確認しておきたいポイント
見学時には、実際に生活を始めたときのことを想像しながら、以下のポイントを確認することが重要です。
(1)立地
住まいの立地は、日常生活の利便性に大きく影響します。最寄り駅もしくはバス停までの距離は高齢になるほど重要になります。付近にスーパーや銀行などがあると、部屋ごもりを防ぐことができ、軽い運動にもなります。見学時には、周辺環境やアクセスの良さを確認しましょう。
(チェックポイント)
- 周辺の道路は歩きやすいか
- 騒音レベルはどうか
- 最寄り駅からの距離と時間はどのくらいか
- 最寄りのバス停からの距離、時間、バスの運行間隔はどのくらいか
- 最寄り駅、最寄りのバス停までに坂道や階段はあるか
- 医療機関、銀行、郵便局、スーパーが近くにあるか
- 送迎用の車両はあるか
(2)住宅内の雰囲気
住まいの雰囲気やスタッフ、他の入居者との相性も重要です。快適な生活を送るためには、コミュニケーションがしやすい環境が求められます。物件・施設の雰囲気はスタッフによってつくられます。長く住む場所だけに、スタッフの質もしっかり評価しておくことが大切です。
(チェックポイント)
- スタッフの対応はどうか(挨拶や言葉遣いなど)
- スタッフの身だしなみや雰囲気はどうか
- 他の入居者の年齢層や男女比はどうか
- 共用部分は清潔に保たれているか
(3)食事
多くの住まいで食事が提供されており、その質は生活の楽しさを左右します。見学時には試食できる場合もあるので、事前に確認しておきましょう。食事を予約してもキャンセルをすると費用がそのままかかることもあるので注意しましょう。
(チェックポイント)
- 食事の種類は選べるか(和食・洋食など)
- 特別食(減塩、アレルギー対応など)や介護食に対応しているか
- アラカルトメニューはあるか
- 食事の申し込みにキャンセル料はかかるか
- 居室に持ち帰って食べることができるか
- ゲストも食堂を利用できるか
(4)居室設備
居室は日々の生活の中心となるため、設備や使い勝手をしっかりと確認しましょう。疑問を感じたことはスタッフにたずねて解決しましょう。季節によって部屋の暖かさや風通しのよさは変わるの確認しましょう。
(チェックポイント)
- 部屋の間取りと広さはどうか
- 部屋の暖かさ、風通しはどうか
- 日当たりや防音対策はどうか
- 手すりはあるか、設置位置はどうか、後付けはできるか
- 緊急時の通報装置はあるか
- 浴室、トイレ、入口に段差はあるか
- 浴室、トイレに介護のできる広さはあるか
- 自炊用のキッチンはあるか
- コンセントやスイッチは使いやすい位置にあるか
- ペットは飼えるか
(5)共用施設
共用施設の充実度も、暮らしの満足度に直結します。見学時にはどのような共用施設があるかをチェックしましょう。自分に合ったイベントやアクティビティがあれば、日々の楽しみとなり入居期間の交流も深まります。
(チェックポイント)
- フィットネスジム、大浴場、レストランなどの施設はあるか
- 使用する際の予約や追加費用は必要か
- 共用施設の広さ、明るさ、清潔さはどうか
- ピアノやギターなどの楽器を弾けるか
- イベントの種類、開催頻度はどうか
(6)医療・介護体制
医療・介護体制の充実度は、安心して暮らすために欠かせないポイントです。医療については、緊急時でも安心してスタッフに任せられるかがポイントになります。
(チェックポイント)
- 医療・介護スタッフはいるか
- 夜間のサポート体制は整備されているか
- 介護が重度化したときの居室の移動はあるか
- 認知症になっても住み続けられるか
- 提携医療機関はあるか
- 緊急時の対応は整備されているか
- 専門医療を受けられるか
(7)サービスとアクティビティ
提供されるサービスやアクティビティも、暮らしの質を左右する要素です。どのようなサービスが提供されているかを確認しましょう。
(チェックポイント)
- 基本サービスに何が含まれているか(安否確認、相談など)
- オプションサービスの種類(掃除、外出付き添い、手続き代行など)と費用はどうか
- アクティビティの種類と参加費用はどうか
3.見学前に準備しておくべきこと
見学をスムーズに行うために、事前に準備しておくことがいくつかあります。
(1)確認事項リスト
事前に気になる点や質問事項をリストアップしておくと、見学時に漏れなく確認することができます。
(2)家具や家電の寸法のメモとメジャー
家具や家電を持ち込む予定がある場合、寸法を測っておくと実際の配置がイメージしやすくなります。
(3)周辺地図
物件周辺の施設や交通の便を確認するために、地図を持参しましょう。
(4)事前に入手した資料
パンフレットや重要事項説明書を持参し、見学時に確認することが大切です。
(5)筆記用具やカメラ
気になる点をメモしたり、写真に撮ったりするために、筆記用具やカメラを用意しておくと良いでしょう。
4.不安を残さずに見学するためのコツ
見学の際には、家族や友人と一緒に行くと複数の視点で確認ができ、安心です。また、見学の時間帯も重要で、例えば食事サービスを確認したい場合は食事時間に、アクティビティを見たい場合はその時間に合わせて予約することが望ましいです。
住まい選びは、これからの生活を左右する大切な決断です。納得がいくまで複数回見学をして、後悔のない住まいを選びましょう。
以上のポイントを押さえて、老後の住まい選びをスムーズに進めてください。自分にぴったりの住まいを見つけて、安心して充実したシニアライフを送りましょう。