高齢者住宅とは?自由で快適な生活を送りたいアクティブシニアの方へ
高齢者人口が増え続けている中、老後の住まいの選択肢として、高齢者住宅の需要が高まっています。
今回は、元気なうちの住み替えを考えている方のために、高齢者住宅の特徴や選び方についてご紹介します。
目次
高齢者住宅とは?
高齢者が安心して暮らせるように配慮された住まいのことを、総称して「高齢者住宅」といいます。
高齢者住宅の入居対象者は、原則として介護の必要がなく自立して生活できる方です。
高齢者住宅には、多くの種類が存在し、提供しているサービス内容、費用、高齢者の受け入れ条件などが異なります。
主な高齢者住宅は5つ
SMISYが取扱っている、現時点では介護を必要としていない、元気な高齢者(アクティブシニア)を対象とした住まいには、「シニア向け賃貸住宅」「〈一般型〉サービス付き高齢者向け住宅」「〈自立型〉有料老人ホーム」「シニア向け分譲マンション」「シニアテックマンション」の5つがあります。 それぞれ、どのような住まいなのかを見ていきましょう。
1.シニア向け賃貸住宅
シニア向け賃貸住宅とは、バリアフリーに対応しているシニア専用の賃貸住宅です。
建物の規定やサービス提供の義務はないため、それぞれの物件によって、建物の規模や居室の広さが異なります。
生活や介護に関するサービスは付いていない場合が多いため、サービスが必要な場合は、 運営会社が用意しているサービスを追加料金を支払って利用するか、自分で外部の事業者と契約して利用することが必要です。
シニア向け賃貸住宅の入居契約は賃貸借契約となるため、敷金と月額利用料(家賃、管理費など)が必要です。
通常の賃貸物件に近いため、ストレスの少ない暮らしが送れることがメリットとして挙げられます。
一方、注意点としては、事業者によって設備やサービス内容が大きく異なるため、介護度が上がった場合は住みかえの必要性が出てくることが挙げられます。
2.サービス付き高齢者向け住宅
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、バリアフリー化された建物で、安否確認・生活相談サービスを受けられる賃貸住宅です。 サ高住は、賃貸住宅であるため、自宅に近い自由度の高い快適な暮らしを楽しむことができます。 サ高住の入居契約は基本的に賃貸借契約となるため、敷金と月額利用料(家賃、管理費、サービス利用料など)が必要です。
サ高住には、「一般型」と「介護型」の2種類があります。
一般型のサ高住は、介護サービスが付いていないものが多く、元気な高齢者が自分のペースで生活するのに向いた住宅です。
生活支援サービス(掃除や買い物など)や介護が必要になった場合は、外部の事業者と契約すれば利用することができます。
介護型は要支援・要介護の認定を受けた人が入居する高齢者住宅です。
3.〈自立型〉有料老人ホーム(健康型・住宅型・介護付)
有料老人ホーム(自立型)とは、自立した生活を送ることができ、本格的な介護の必要が無い高齢者を対象とした施設です。
入居する高齢者に対して「入浴・排せつ・食事の介護」、「洗濯や掃除などの家事」、「健康管理」、「食事の提供」などのサービスを提供しています。
〈自立型〉有料老人ホームは、自立した高齢者を対象にしているため、多彩なアクティビティやフィットネスジム、プールなどの共有部が充実しているところが多いのが特徴です。
また、自分で料理ができたり、いつでも外出できたり、自由度が高いため、アクティブなシニアライフを楽しむことができます。
〈自立型〉有料老人ホームは「健康型」「住宅型」「介護付」の3つの種類に分けられ、介護が必要になった場合の対応が異なります。
「健康型」は、介護が必要になった場合は、退去しなければなりません。
「住宅型」は、外部の介護事業者と契約をすることで必要な介護サービスを受けることができます。
「介護付」は、内部の介護スタッフから24時間介護を受けることができます。
4.シニア向け分譲マンション
シニア向け分譲マンションとは、高齢者が生活しやすいように配慮されたバリアフリー完備のシニア専用の分譲マンションです。
シニア向け分譲マンションは、食事の提供や家事代行サービスを受けられるほか、レストランや娯楽室、フィットネスジムなど、暮らしを豊かにする施設が充実した物件が多いことが特徴です。
シニア向け分譲マンションの入居契約は、分譲のため所有権方式の契約となり、購入後は自分の財産となります。
介護が必要になった場合は、外部の事業者と契約して介護サービスを利用することができますが、介護度が高くなり、常時の介護や医療ケアが必要になった場合は、住みかえが必要になることもあります。
5.シニアテックマンション宅
シニアテックマンションとは、一般的な分譲・賃貸マンションに見守りサービスと最新の高齢者に配慮した設備を付加した住まいです。
門限などもなく自由な生活が送れます。
介護やサポートが必要になった場合は、外部の事業者と契約して介護サービスを利用することができます。
食事は付いていませんが、外部の事業者と契約し配食サービスを利用する事ができます。
安心を兼ね備えたセカンドライフをアクティブに楽しみたい方に向いている住まいです。
高齢者住宅のメリットと留意点
1.高齢者住宅のメリット
高齢者住宅に入居する主なメリットは以下のとおりです。
①シニアの方が入居審査に通りやすい
高齢者住宅には、一般的な賃貸住宅よりも、シニアの方が入居しやすいという大きなメリットがあります。
一般的な賃貸住宅では、収入や健康状態を懸念されて、シニアの方の審査が通りにくいことがあります。
②自分のペースで自由に生活を送りやすい
高齢者住宅は介護施設と比べて、生活時間や外出に制限が少なく、自宅での生活とほぼ同じように暮らすことができます。
③要介護度が低い人も入居しやすい
高齢者住宅は、基本的に介護や看護を必要としない健康なシニアを受け入れています。
介護付有料老人ホームに入居する必要がないけれど、将来の不安を抱えている人にとって、適した住まいと言えます。
④分譲マンションは資産運用が可能
シニア向け分譲マンションを購入すると、その物件は自身の資産となります。
将来的に他の施設等に移る際に売却したり、賃貸に出したり、家族に相続させることもできます。
2.高齢者住宅の留意点
高齢者住宅には多くのメリットがありますが、以下の点には注意が必要です。
①介護度が上がると退去しなければならない場合がある
高齢者住宅に入居後、介護度が増したり、認知症が進行したりすると、住み続けるのが難しくなることがあります。
介護や見守りが24時間必要になったり、自分で生活や健康管理が困難になったり、認知症が進行して自立した生活が難しくなった場合、介護付有料老人ホームなどへの移動が必要になるかもしれません。
②シニア向け分譲マンションは高額な購入費用がかかる
シニア向け分譲マンションは一般的に富裕層を対象としており、購入費用が高額な場合が多いです。
また、入居後も毎月の管理費や修繕積立金、毎年の固定資産税などの費用がかかるので、注意が必要です。
高齢者住宅の選び方
高齢者住宅を選ぶ際には、何を考慮すればいいのでしょうか?ここでは、重要なポイントをいくつかご紹介します。
1.入居条件
最初に確認すべきは、入居条件です。
高齢者住宅では基本的に、自立して生活できるシニアが入居対象となります。
健康状態に不安がある場合や医療ケアが必要な場合は、他の選択肢も検討する必要があります。
また、サ高住には「高齢者住まい法」による入居条件があり、「60歳以上の人」または「要介護認定や要支援認定を受けた60歳未満の人」が入居できます。
同居者にも条件があり、配偶者や特定の親族に限られます。
なお、高齢者住宅では退去に関する明確な条件が定められていないため、希望する施設がある場合は、退去の条件を事前に問い合わせて確認することが重要です。
2.費用
入居にかかる費用は重要なポイントです。高齢者住宅の入居費用は物件によって異なります。
気に入った物件でも、支払いが大きすぎると生活を圧迫する恐れがあります。
年金や預金、不動産や株などの資産に応じて、無理のない資金計画を立てることが大切です。
3.サービス内容
高齢者住宅では様々なサービスが提供されていますので、入居前にそれぞれの物件で提供されるサービスを確認しましょう。
また、提供されるサービスは運営会社か外部業者が行うものなのか、月々の料金に含まれるものとオプションの区別はどこか、など細かな点まで把握することが大切です。
さらに、安全な生活を送るために、緊急時の対応はどのように行われるかも確認しておきましょう。
4.建物・設備・立地環境など
建物のバリアフリーな構造や、部屋のレイアウト、共用スペースの状態、交通アクセスや周辺の雰囲気など、現地をチェックすることも重要です。
特に、シニア向けの賃貸住宅や分譲マンションには統一基準がないため、物件ごとに広さや設備内容が異なります。
事前に見学して、パンフレットだけではわからない実際の状況を確認しましょう。